いわゆる腰痛症

 いわゆる腰痛症とは,何でしょうか。'原因のわからないとにかく腰が痛い'というものをいい、。漠然と腰が痛むことはよくあることです。椎間板ヘルニアとか変形性腰椎症などのような腰痛の原因となる病気が明らかなものより、原因不明のものの方が実際は多く、約50%近くを占めるともいわれています。こういったいわゆる腰痛症は椎間板性、椎間関節性、筋筋膜性の3つがその大部分ともいわれています。

 私たちの体を支えているのは背骨すなわち脊柱ですが,横から見ると、ちょうどS字形のなだらかなカーブを持っています。生理的彎曲といわれ、頸椎は前方に、胸椎は後方に,腰椎は前方に曲がっています.また腰椎は体重や体の動きなどのすべての重圧がかかってくるため、負担がかかって腰痛症を起こします。

 姿勢の悪い人特に猫背の人は背中が丸まっているため腰椎の前彎を強めるため腰痛をおこしやすくなります(下図)。肥満もおなかに脂肪がつくためおなかが突き出て腰椎に負担がかかるようになり腰痛が起こりやすくなります。

椎間板変性症,腰椎椎間板症

 X線上椎間の狭小化がみられるもので,体の重圧を受けている椎体と椎体の間のクッションの働きをしている椎間板が加齢と変性を起こし弾性を失った状態になります。急性腰痛とも慢性腰痛とも関連があると言われています.

 椎間関節性腰痛

 腰の後ろの関節faset jointがすり減るためと言われています

faset jointが腰痛の発生源であると以前からいわれているがいまだ実証されていません。椎間関節に注射をうつと腰痛がおさまることからいわゆる腰痛症の一つとされています.

 筋筋膜性腰痛

 筋・筋膜の疲労により、部分的過伸展損傷,断裂などが原因で筋の痙縮が見られます。脊骨近傍の筋に自発痛,運動時痛,圧痛が見られます.筋肉・筋膜の過度の緊張で起こるため、背骨のそばの筋肉がかたくなり、凝っている状態になります。押さえると痛みがあります。

 


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